相次ぐ米軍機の事故に抗議し、普天間基地の即時閉鎖返還を求める決議
【提案 沖縄地連】
二〇一八年新年早々の六日、沖縄本島中部のうるま市から橋でつながった伊計島に米軍のヘリが不時着。住民は恐怖で騒然とした。海兵隊は二日後の八日午前、回転翼を取り外した機体を大型輸送ヘリでつり下げ基地内へと運び去った。
ところが同日午後、読谷村のリゾートホテル近くの民間地にまたしても別のヘリが不時着したのだ。在日海兵隊司令官は安全な場所に着陸した、と兵員を賛辞した。事故の原因究明もなされないままにである。リゾートホテルに墜落していたら大惨事が起きていたにもかかわらずだ。
昨年暮れの一二月七日には普天間基地周辺の保育園の屋根に米軍ヘリの部品が落下。六日後の一三日には普天間第二小学校の校庭に基地から飛び立ったヘリの窓(重さ約八㌔)が落下し、体育の授業中だった児童たちの十数メートル近くで窓の特殊ガラスが散乱した。窓落下の風圧で小石が飛び、児童が軽傷を負っている。一歩間違えば大惨事になっていたところだ。
普天間基地所属の米軍機群は、オスプレイが一六年暮れに名護市の東海岸に墜落大破したのをはじめ、今年の新年までにオーストラリア沖での訓練に参加したオスプレイが墜落。東村高江では大型輸送ヘリが墜落炎上。そして年末年始の落下事故と不時着事故。相次ぐ米軍機の事故に沖縄県議会は一月一九日、抗議決議を全会一致で可決した。
ヘリの窓が落下した小学校の児童らは「空からは雨が降ってくると思っていたら、ヘリやヘリの部品が降ってくる」と手記をしたためている。事故後、米軍は学校上空を避けると言ったが、一八日には学校上空を我が物顔で飛行し、児童たちを不安に陥れた。そして一月二三日には渡名喜島に不時着。もう沖縄だけの事故で済まされない。オスプレイはじめ米軍機は全国を飛んでいる。みんなの空から「米軍機が降ってくる」。
沖縄が被る犠牲は米軍機だけではない。ヘリの部品と窓が落下した保育園と小学校には連日、「落下は作り話」「基地のそばにいるお前らが悪い」という電話が後を絶たない。保育士や教諭らの心労をあざ笑い、沖縄に基地を押し付ける「ヘイト集団」の存在は絶対に許してはならない。許せば民主主義が根底から崩壊することを意味する。
二〇〇四年八月に沖縄国際大学にヘリが墜落した事故の後、上空から普天間基地と周辺市街地を視察した当時のラムズフェルド米国防長官は「世界一危険な飛行場」と発言した。だが事故は今でも続いている。事故が起こるたびに米軍は「良き隣人」を強調しながら飛行を再開する。日本政府は米政府にモノが言えず沖縄の基地負担を黙認する。どちらも「沖縄県民の命」より軍事優先しか頭にない。世界一危険な基地と欠陥機は一日も早くなくさなくてはならない。
私たちは相次ぐ米軍機の事故に抗議し、米軍普天間基地の即時閉鎖返還を求める。
右決議する。
二〇一八年一月二八日
日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会