メディア日誌 2023年12月

◆NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」の新型コロナウイルスに関する不適切な報道を巡り、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は5日、「事実を正確に伝えるというニュース・報道番組としての基本を逸脱したものだった」などとして、放送倫理違反があったとの意見を公表した。問題になったのは5月15日の番組。エンディングで遺族3人の声を短く紹介した際、ワクチン接種後に亡くなったのに、新型コロナに感染して亡くなった人の遺族のように視聴者に誤認させた。(12月5日)


◆TBS系列のテレビ局tysテレビ山口(山口市)は4日、10月に放送した特集が、KBC九州朝日放送(福岡市)の放送内容の一部をそのまま引用していたと発表した。tysは記事を作成した報道部の20歳代男性記者や斎藤宗房社長ら5人を減給などの懲戒処分とした。(12月4日)


◆放送倫理・番組向上機構(BPO)は人権週間が始まった12月4日、「芸能事務所の性加害問題に関する理事長見解」を公表した。(12月4日)


◆映画業界のジェンダー格差や労働環境の調査を行う「Japanese Film Project(JFP)」は12日、昨年劇場公開された日本映画の監督613人のうち女性は68人で、2021年と比べて1ポイント減の11%だったとの調査結果を発表した。613人のうち、興行収入10億円以上の実写映画の監督は13人いたが、女性は1人もいなかったという。業界内でジェンダー格差の改善が進んでいない実態が浮き彫りとなった。(12月12日)


◆NHKの稲葉延雄会長は20日の定例記者会見で、旧ジャニーズ事務所が性加害問題の被害申告者に補償を始めたことや、同事務所所属タレントのマネジメントを担う新会社設立に言及し「少しずつ取り組みが前進している」と一定の評価をした。(12月20日)


◆鳥取県は山陰放送(同県米子市)が契約していたラジオCMを放送していなかったとして、県の競争入札で同社を15日から2カ月間指名停止にすると発表した。(12月15日)


◆2023年11月度ギャラクシー賞月間賞が20日、発表され、11月13日深夜放送のフジテレビ系『有吉弘行の脱法TV』、NHK『ドキュメント20min.「ニッポンおもひで探訪~北信濃 神々が集う里で~」などが受賞した。(12月20日)