メディア日誌 2023年8月

◆放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は4日、TBS系の報道番組「news23」の農業協同組合(JA)の共済に関する放送内容について、取材源の秘匿という原則が損なわれ、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。番組は1月12日に放送。JAの職員が自身で共済に加入する「自爆営業」というノルマがあり、三人が内部告発した。放送によって身元がばれてしまい、辞職した職員がいたという。 (8月4日)


◆ケーブルテレビ最大手のJCOMと米ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は8日、コンテンツの強化に向けて提携を拡大すると発表した。ドキュメンタリーや動物番組など計7チャンネルを一括運営し、独自作品の共同制作も検討する。動画配信サービスが台頭するなか、テレビ放送と配信を組み合わせた新たなサービスを模索する。(8月8日)


◆NHKが、1月に退任した前田晃伸前会長の行った人事制度改革について大幅に修正することが9日、関係者への取材で分かった。今月上旬に開かれた全国の局長らが集まる会議で通達した。前田氏は若手登用を推進したが、内部からは「公平感が欠如している」などと不満の声が上がっていた。(8月9日)


◆米AP通信は16日、社内での生成AI(人工知能)の利用指針を発表した。生成AIによって出力された文章を記事には使わない。一方、開発企業と提携する対話型AIサービス「チャットGPT」については、働き方の改善といった用途で活用を認める方針を明記した。(8月16日)


◆総務省の有識者会議は25日、NHKと民放各社がそれぞれインターネット配信する番組を、一つのサイトで一覧して選択できるようにすることを盛り込んだ報告書案をまとめた。本年度中に実証実験を始める。動画配信サイトの普及で競争が激しくなる中、NHKと民放が連携し、地域ニュースを含めたさまざまな情報を手に入れやすくする。(8月25日)


◆ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題で、同事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が40年以上にわたる性加害を認定したことを受け、同事務所の所属タレントを番組で起用する在京民放各局やNHKは30日までに相次いでコメントを発表した。       (8月30日)


◆JRN系列局などで平日の朝に放送されているラジオ番組「歌のない歌謡曲」が、9月いっぱいで終了することが分かった。TBSラジオを始め全国37局で伝えられた。〝歌なし〟の愛称で親しまれている「歌のない歌謡曲」。1951年に新日本放送で放送されたのが始まりの、民間放送最長寿番組。パナソニック株式会社の提供で、毎週月曜日から金曜日の一五分間放送されていた。(8月31日)