民放労連第135回定期大会アピール(2022年7月31日)

 例年になく早い夏の訪れを迎え、連日、厳しい暑さが続く中、私たちは2020年1月以来、2年半ぶりにリアルとオンラインの併用で民放労連第135回定期大会を福岡で開催しました。大会直前、コロナ第7波による感染者急増からハイブリッド開催を危ぶむ声もありましたが、会場参加者からは「議論が非常に盛り上がった」「対面で行うことの意義を大きく感じた」という声が上がりました。

 ロシア軍によるウクライナへの軍事進攻は、平和の大切さを改めて認識させられました。京都放送労組などでは戦争の悲惨さを伝えるための取り組みがなされています。一方、戦いの長期化は、原油高や物価高などの形で私たちの生活にも影響を与え始めていて、物価上昇に対応するためにも賃金の引き上げは急務です。

 今春闘では、TBSやフジテレビといったキイ局でもベア回答を獲得したほか、共闘会議で到達目標を設定した広域U局では、ほぼすべての組合でベアを獲得しました。今後も生活を守り、より魅力的な職場にするためにも賃上げやさまざまな制度を勝ち取れるよう、年末闘争、来春闘と手を携えていきましょう。

 大会では、若手の離職や組合活動の「世代交代」「若返り」が大きなトピックスとなり、今後、民放労連としても優先して取り組んでいくことになりました。総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」では、「マスメディア集中排除原則」の緩和を求める提案が出されました。今後、民間放送局の大規模統合が行われる可能性があり、労働条件が改悪されないように準備や研究を急ぐ必要があります。近畿地区労組からは、よみうりテレビサービス労組の不当解雇撤回についての報告とさらなる協力要請がありました。女性協議会からは、民放の意思決定者に女性が非常に少ないという民放テレビ・ラジオ局の女性割合調査の発表がありました。民放の偏ったバランスを是正して、多様性を確保することが求められています。

 多くの組合が発言できるよう行われた分散会では、組合員の減少や若手の組合加入に向けた取り組みとして、労組のユニオンショップ化も視野に入れるべきではないかという提案や人事評価制度の導入やあり方、若手の離職を防ぐ各組合の取り組みなどが議論されました。

 民放労連は、結成以来初となる女性委員長の誕生、本部役員定数の減員など、来年の70周年を前に大きな変革の年を迎えます。時代が大きく変わりゆく中で、労働組合の存在意義と方向性が問われています。労働者のよりよい環境、生活水準・待遇が守られるよう、時代の先頭に立って放送・コンテンツ産業の将来を作り出していきましょう。

2022年7月31日
日本民間放送労働組合連合会 第135回定期大会