メディア日誌 2021年11月

◆総務省は2日、デジタル化の進展に合わせた放送制度のあり方を議論する有識者会議を設置すると発表した。スマートフォンを通じた動画視聴が普及するなか、テレビ番組を放送と同時にインターネットで流す「同時配信」を巡る課題などを検証する。地方局の経営を支援するため、放送設備の共用についても検討する。(11月2日)

◆NHKは2日、関東地方の1都6県で22日から12月20日にかけ、インターネットに接続している全てのテレビを対象に番組の見られ方などを調べる視聴調査実験を行うと発表した。取得したデータは、今後の番組制作や編成の改善に活用するという。NHKによると、対象となるのは、東京都と、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城の各県。(11月3日)

◆日本民間放送連盟は9日、優れたテレビ、ラジオ番組に贈る今年の同連盟賞のグランプリと準グランプリを発表した。テレビ番組のグランプリは東海テレビ放送の「チョコレートな人々」、準グランプリは静岡放送の「おひさま家族~りんくん一家の17年~」。ラジオ番組のグランプリは文化放送の「文化放送戦後75年スペシャル 封印された真実~軍属ラジオ」、準グランプリはニッポン放送の「サンドウィッチマンのオールナイトニッポン」が受賞した。(11月9日)

◆総務省は8日、「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」(座長=三友仁志・早大大学院教授)の初会合を開き、テレビ離れが進むなかで放送事業者がとるべき対応や制度の見直しについての議論を始めた。来年夏を目標に提言を取りまとめるという。(11月9日)

◆民放キイ局5社の2021年4~9月期の連結決算が11日出そろった。同日発表したTBSホールディングス(HD)とテレビ朝日ホールディングスを含め、全社が22年3月期の純利益予想を上方修正した。東京五輪・パラリンピックなどにより、新型コロナウイルス下で落ち込んでいた広告収入が想定以上に回復する。(11月11日)

◆日本テレビ放送網はスポーツ動画配信のEASY PRODUCTION(イージープロダクション、東京・港、趙守顕社長)の株式を取得し、関連会社化した。中継映像を効率的に作成するイージープロダクションのシステムをCS放送のスポーツ中継に活用したり、地方の試合の動画配信を増やしたりする。(11月12日)

◆放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は13日までに、視聴者からの質問コーナーで不適切な演出があったテレビ朝日の情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」について、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。(11月13日)

◆TOKYO FMは17日、10月18日から24日に行われた『ビデオリサーチ首都圏ラジオ聴取率調査』において、全日平均の「男女12~69才」で単独首位を獲得したと発表した。同局の単独首位は「首都圏ラジオ聴取率調査」(1990年4月調査開始)で、同区分の聴取率調査が始まった2001年10月以来初となる。(11月17日)

◆NHKは24日、2021年度の中間決算を発表した。昨年10月の受信料値下げの影響で、事業収入は前年度中間期比131億円減の3522億円、うち受信料は3414億円で、いずれも中間期としては2年連続の減収となった。(11月24日)

◆テレビ東京は25日、番組を放送と同時にネットで見られる「同時配信」の開始について、当初予定していた12月から年明け以降にずれ込むと発表した。民放共通の無料配信プラットフォーム「TVer(ティーバー)」の視聴用アプリのシステム開発が遅れているためという。(11月26日)