民放労連第128回臨時大会「民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」(2019年1月27日)

 いわゆる非正規労働者の雇用不安を解消するとともに安心して働き続けることができることを目的に、改正労働契約法が施行されてまもなく6年となる。昨年4月には、5年を超えて有期雇用が反復更新された労働者には無期労働契約に転換できる権利が生じることになった。
  いくつかの放送局やプロダクション・関連会社では、有期雇用の労働者を無期へと転換する動きが見られ雇用不安の解消に前進したが、一方で、労働条件については正社員との格差が縮小したわけではない。

 「非正規という言葉を一掃することをめざす」として、政府は「働き方改革実現会議」を立ち上げ、昨年には「働き方改革関連法」が成立した。これにより、2020年4月から正規・非正規労働者間の不合理な待遇格差を解消する「同一労働同一賃金」が義務づけられる。
これを先取りするかたちで、ヤマト運輸は有期契約のドライバーの正社員化を発表。また高島屋などでは、非正規社員の賃金を、同じ条件で働く正社員と同等の水準に合わせる方針を明らかにしている。

 構内で働く多くの労働者の協力なしでは日々の放送活動が成り立たない放送産業にとっても「同一労働同一賃金」の実現は、目指すべき目標だ。昨春闘では、西日本映像労組の長年の要求に対して、「新たな採用についてはすべて正社員とする」と会社が回答し、格差是正を一歩前進させた。また昨年末闘争では、静岡朝日テレビ労組がアルバイトの昇給制導入を実現し、テレビ東京労組はキイ局としては初の企業内最賃協定締結を勝ち取った。格差是正を先進的に取り組んできた京都放送労組は、子会社の本社への統合を機に、構内労働者の労働条件改善の回答を引き出した。

 このように民放労連でも広がりつつある「同一労働同一賃金」に向けた動きをさらに大きく確実なものとするために、各組合が、放送局とプロダクション・関連会社、正社員とそれ以外の労働者の賃金・労働条件の格差を解消し、放送が魅力ある産業となるよう取り組んでいこう。放送業界が健全に発展していくためには、放送の将来を担う人材の確保が必要だ。残業代がなくては生活が困窮するような低賃金、睡眠や休みさえまともに取れない長時間労働が当たり前の産業に人は集まらない。若手の退職が増加している状況も、経営者は理解しているはずだ。

 2020年4月に施行される「同一労働同一賃金」を追い風にして、放送産業に働くすべての労働者が安全に、そして安心して働くことができる賃金と労働条件を実現し可視化することで、労働組合の役割と重要性についての認識を広げ、放送局構内で働くすべての労働者に労働組合への加入を呼びかけ、大きな団結をつくりだそう。
 右、決議する。

2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会