投稿者「minpororen」のアーカイブ

「民放テレビ・ラジオ局女性割合調査報告」リリースのお知らせ(2023/11/7)

報道機関各位

民放労連女性協議会

 【2022年度データ】 
全国のテレビ局の 63.8% 、ラジオ局の 72.4% で女性役員ゼロ!

全国の平均女性役員割合 テレビ局 3.0% 、ラジオ局 3.3%

在京キイ局の男女間賃金格差平均 81.0%
(男性を 100% としたときの女性の賃金)

【2023年夏】在京キイテレビ局の女性役員は 99名中10名 に

 日頃より、日本民間放送労働組合連合会(以下、民放労連)の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。

 「民放テレビ局・ラジオ局女性割合調査報告」をリリースしましたのでお知らせします。(リンク)民放労連は民放連に対して、民放連および加盟社の意思決定者への女性登用を訴えてきましたが、僅かな改善は見られるものの、「民放の女性役員を3割に」にはほど遠い結果です。


全国のテレビ局・ラジオ局・在阪テレビ局は依然6割以上の社で女性役員ゼロ

6割以上 女性役員ゼロ

 これまで5回の調査を行ってきた在京テレビ局は、2017年度に7社中5社(日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビ、NHK)で役員女性ゼロから始まり、今回の調査ではじめて全局に女性役員がいる状態になりました。一方、在阪テレビ局の60.0%、全国のテレビ局の63.8%、全国のラジオ局の72.4%で女性役員がゼロであり、これまで3回の調査では僅かな改善しか見られませんでした。また、在京キイテレビ局においても、2022年度の調査で、役員110名中女性9名(8.2%)、2023年度の調査で役員99名中女性10名(10.1%)と、3割にはまだ大きな隔たりがあります。

在京キイテレビ局の役員110名中、女性は9名

女性は9名

人事制度に男女差が無いテレビ局正社員でも、女性の賃金は男性の約8割!

 女性活躍推進法改正に基づき、2022年7月から常時雇用労働者301人以上の事業主を対象に、男女間賃金格差の開示が義務付けらました。男性を100とした男女間賃金格差は、在京キイテレビ局で平均81.0%、在阪テレビ局で平均76.1%、正社員についても在京キイテレビ局平均82.1%在阪テレビ局平均79.4%の格差があるという結果でした。登用の差や出産育児での時短やブランクがあるのではないかと推察されますが、人事制度に男女の差がない正社員の格差は、予想以上に大きいものでした。

目標設定と具体的な計画立案を!

 今回の調査では、民放の調査結果では、1年前と比較して、民放の女性役員の登用状況が微増に留まっていることが数値上明らかになりました。

2020年に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画には、「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める。」とされています。各社、日本のジェンダーギャップ指数125位の低さについて報道していますが、自社の足元を見直すべきなのではないでしょうか。民放各社や民放連が、現状を直視して自主的に数値的目標を掲げ、目標達成のための具体的な計画を立て、実行しないことには、意思決定層に女性を増やすことはできません。

放送局で働く人の偏りは視聴者の意識に影響!

 男女共同参画基本計画第10分野に、「教育・メディア等を通じた意識改革、理解の促進」には、「メディア等からの情報が子供をはじめ様々な世代に対して固定的な性別役割分担意識等を植え付けず、また、押し付けないようなものとなるためには、メディア分野の経営層や管理職において性別による偏りがないことが重要である。このため、メディア分野等における意思決定過程への女性の参画拡大を促進する。」という記載があります。放送局の働き方や働く人の人員構成は、発信する報道内容やコンテンツを通して人々の意識に大きな影響力があり、それが政策や制度にも反映されます。在京キイ局のコンテンツ制作・編成部門の局長相当25ポスト中女性は2名でした。意思決定者に偏りがあることはコンテンツの偏りへのつながりが懸念される一方で、もし改善された場合、社会に与える好影響は決して小さくないと期待されます。

在京キイ局のコンテンツ制作・編成部門の局長相当

25ポスト中女性は2名

放送産業の発展のためには多様性が必要

 経産省は⼥性登⽤を含む『ダイバーシティ経営』を「⾃由な発想が⽣まれ、⽣産性を向上し、⾃社の競争⼒強化につながる、といった⼀連の流れを⽣み出しうる経営」と位置づけており、ダイバーシティ経営をしている企業は、そうでない企業と⽐べて経営成果が良いという調査結果を発表しています。放送の受取り⼿の半数が⼥性です。イノベーションを促進する⼥性登⽤は、ビジネスモデルの転換期に⽴たされている⺠放の経営課題の解決に⼤きく寄与するのではないでしょうか。

今後も⺠放労連では、全国の⺠放テレビ局・ラジオ局の意思決定層への⼥性登⽤を訴えていく予定です。是⾮、テレビ・ラジオを含む報道各社での報道をお願いいたします。

問い合わせ先: ⺠放労連 03-3355-0461 info@minpororen.jp

よみうりテレビサービス見せしめ不当解雇撤回を求める決議(2023/8/7)

 よみうりテレビサービスは、2020年1月17日、自社の無期雇用のA組合員が職場である読売テレビに出社するところを待ち構え、入館証を取り上げて自宅待機命令通知書を突きつけ、A組合員が私物を持ち出す時間さえも与えず社外に追い出した。すぐに近畿地区労働組合に加入し、労働組合は解雇撤回を求め幾度も団体交渉を申し入れたが、会社は応えず、自宅待機を延長し、2月14日に一方的に解雇通知書を送りつけ解雇した。
 会社が出してきた解雇理由証明書には解雇理由が7項目記載されている。しかし、いずれも具体的事実が証明されているものはなく、解雇に値するものでもない。そもそも解雇前にA組合員に意見を聴く機会も与えず、一方的に社内での行動を問題視した質問状を送りつけ、自宅待機を命じた経緯にも問題がある。よみうりテレビサービスは裁判で解雇理由の証拠を提示したが、それは本人に許可を得ず秘密裏に録音されたもので、正当な証拠とは言い難いものである。執拗に個人のプライバシーに踏み込んだり、不当な手段での解雇理由の立証など、会社役員が全員交代した現在も誠実な態度も示さず、裁判にも真摯に向き合わず、時間を引き延ばしているだけである。労働組合は再三にわたってA組合員の解雇撤回を申し入れている。解決に向け行動しなければならないのは、よみうりテレビサービスの経営陣である。

 民放労連第137回定期大会の名において、改めて、A組合員の解雇撤回を強く求めるものである。
 右、決議する。

2023年8月7日
        日本民間放送労働組合連合会 第137回定期大会

株式会社よみうりテレビサービス 代表取締役社長 米倉 敬太 殿

民放労連第137回定期大会アピール(2023/8/7)

 最高気温が連日35度を超える酷暑が続く東京で、結成70周年を迎えた民放労連の第137回定期大会がハイブリッドで開催された。
 ロシアとウクライナの戦争が長期化し、原油高を引き金とした物価高が続いている。急激な物価上昇に対応するためにも賃上げの流れを止めてはいけない。
 春闘では京都放送労組の43年連続ベア獲得をはじめ、全体で40組合がベアを獲得している。今後も生活を守り、より魅力的な会社と職場にするためにも賃上げやさまざまな制度を勝ち取れるよう、年末闘争、来春闘へ向けてこれまで以上に手を携えていく必要がある。
 今大会では、多くの組合からの発言を促すために「規模別分散会」がおこなわれ、現状でそれぞれが抱える問題や課題などについて意見交換がおこなわれた。
 若手の離職に関してはどの分散会でも問題とされ、賃上げだけではなく魅力ある産業にする必要性が報告された。またコロナ禍で広がったリモートワークや在宅勤務での長時間かつ拘束的な働き方に対する「つながらない権利」の必要性の報告など、今後の取り組みに生かせる情報交換となった。
 民放労連内の2つの争議について、早期解決に向けた支援要請がなされた。ひとつは関東地連での「議員秘書による取材活動中の記者に対する性暴力事件」、もうひとつは近畿地連での「よみうりテレビサービス見せしめ解雇争議」で、特に「よみうりテレビサービスでの解雇争議」では、これまでの3年にわたる会社側による人権無視の対応が繰り返されている事に対する悲痛な訴えが、大会参加者の心を打った。
 争議が長引けば当事者の心身ともに消耗が激しくなることは明らかであり、一刻も早く争議解決させるためにも、民放労連全体で取り組む事を確認した。
 減少し続ける労働組合と組合員数を改善させるためには、民放労連の本部・地連・単組の将来に向けた組織のあり方について検討する必要があるとの認識で、「組織財政検討委員会」が設置され、これまでの検討結果と今後の方針についての報告がなされた。
 組織や活動をコンパクト化することで体制の強化と、「いまの時代に合った労働組合活動」を目指し、本部・地連・単組の役割分担と活動の棚卸しによる効率化を基にした会費設定と予算配分の見直しを進めていることが報告された。
 民放労連は、今年70周年の節目を迎えたが、放送業界をとりまく環境は厳しさを増している。70年に渡って先輩が築き上げてきた放送業界への信頼を守り抜き、すべての争議解決と労働者の生活向上・待遇改善を進めていこう。

2023年8月7日
日本民間放送労働組合連合会 第137回定期大会

政府による放送への圧力を排するために独立行政委員会の設置を求める(2023年3月10日)

2023年3月10日
日本民間放送労働組合連合会

 安倍政権当時の2014年から2015年にかけて、放送法における「政治的公平」の解釈をめぐって、官邸から総務省に対して法解釈の変更を迫っていた事実を記載した文書が国会で公表され、総務省はこれが同省の行政文書であることを認めました。当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相は「ねつ造文書だ」として内容を否定していますが、総務省側に直接働きかけたとされる礒崎陽輔首相補佐官(当時)は事実関係をおおむね認めています。
 2016年2月、当時の高市総務相の「一つの番組でも著しく政治的公平に違反した放送局には電波法に基づく停波を命じることができる」とした趣旨の国会答弁。さらには、総務省の「個別の番組について政府が政治的公平性を判断できる」との政府統一見解の背景に、首相官邸側から放送法解釈変更を迫る執拗な圧力があったことが、このほど明らかになったことになります。

 放送法は第3条で、放送番組について「何人からも干渉され、又は規律されることがない」とする「放送番組編集の自由」を掲げています。このため放送の「政治的公平」などを定めた放送法第4条は、放送事業者が自律的に遵守すべき倫理規定だと一般的に解釈されてきました。
 諸外国の放送行政では、政府とは一線を画した独立行政委員会による間接規制が通例となっています。政府が放送局の免許を直接掌握し、電波の停止命令を出すこともできるとする日本の放送制度は、国際的に異例と言うほかありません。そもそも政府が放送内容に立ち入って政治的公平性を判断すること自体が憲法・放送法に違反していると考えます。

 私たち民放労連は、「国家権力からの独立と放送の自由を保障するため、放送制度・放送行政を抜本的に見直し、政府から独立した、放送を所管する行政委員会の設置」との要求を運動方針に掲げています。放送制度の改革をめぐっては、政府による放送への不当な圧力を排するために、この直接免許制の見直し、独立行政委員会の設置の検討が最優先であるべきです。
 国連の自由権規約委員会も昨年11月、日本の放送制度について「放送・免許付与当局の独立性を確保するために必要なあらゆる措置を講じること」などとする総括所見を公表し、日本政府に勧告しています。今こそ、放送行政における独立行政委員会の設置を真剣に検討すべきだと私たちは考えます。

以 上

よみうりテレビサービス不当解雇撤回を求める決議(2023年1月29日)

 よみうりテレビサービスは、2020年1月17日、自社の無期雇用のA組合員が職場である読売テレビに出社するところを待ち構え、入館証を取り上げて自宅待機命令通知書を突きつけ、A組合員が私物を持ち出す時間さえも与えず社外に追い出した。すぐに近畿地区労働組合に加入し、労働組合は解雇撤回を求め幾度も団体交渉を申し入れたが、会社は応えず、自宅待機を延長し、2月14日に一方的に解雇通知書を送りつけ解雇した。

 会社が出してきた解雇理由証明書には解雇理由が7項目記載されている。しかし、いずれも具体的事実が証明されているものはなく、解雇に値するものでもない。そもそも解雇前にA組合員に意見を聴く機会も与えず、一方的にA組合員の行動を問題視した質問状を送りつけ、自宅待機を命じた経緯にも問題がある。解雇理由の詳細を明確にするのは、A組合員の解雇を決定したよみうりテレビサービスの社会的な責任であるが、3年が経とうとする今も詳細を明らかにしようとせず、会社役員が全員交代した現在も誠実な態度も示さず、裁判にも真摯に向き合わず、時間を引き延ばしているだけである。労働組合は再三にわたってA組合員の解雇撤回を申し入れている。解決に向け行動しなければならないのは、よみうりテレビサービスの経営陣である。

 民放労連第136回臨時大会の名において、改めて、A組合員の解雇撤回を強く求めるものである。  
 右、決議する。

2023年1月29日
日本民間放送労働組合連合会第136回臨時大会

株式会社よみうりテレビサービス代表取締役社長 原 俊一郎 殿

民放労連第136回臨時大会アピール(2023年1月29日)

 過去最高の感染者数を出している第8波がようやく収まりつつある中、今回は現地とリモートでの参加によるハイブリッドで臨時大会が開かれました。
コロナの収束は未だに見通せていませんが、すでに世界ではコロナ前の日常を取り戻すべく動いていることから、日本もその動きに合わせた形でコロナの感染症レベル緩和を検討しています。一方で、緩和による医療態勢への危惧や経済回復にともなう物価の高騰など、日常生活に対する不安は高まるばかりです。これら危惧や不安を解消していくためにも、日々のニュースや情報番組などを通して全国の視聴者・リスナーに、安心と安全に対する正しい情報を発信することがますます重要となっています。

 大会の議論では、最初によみうりテレビサービスでの解雇争議支援の訴えについて、当事者の体調や意見を踏まえた上での取り組みの一つとして、SNSやネットの活用の提案や意見が多く出され、労連全体で早期解決に向けての方法が議論されました。
 また、春闘に関してのアンケートの結果からは、経営規模や年代に関係なく物価上昇で生活が苦しくなる中、春闘でどうベースアップを勝ち取るのか、特に若手の賃金や働きがいに対する不満に対してどう取り組むのかが大きな課題として浮かび上がっています。大会でも、統一要求やベア獲得の取り組み、諸要求などについての発言が相次ぎました。
 政府は「インフレ率を超える賃上げ」を要請し、経済界も「物価高に負けない賃金引上げ」を容認しています。民放産業の経営者の頑ななベアゼロ姿勢を打ち破るためにも、民放労連の規模別や地域ごとのつながりを生かして情報交換を密にし、すべての単組で物価上昇をカバーできるベースアップを始め、不満と不安を解消・軽減できる回答が勝ち取れるよう、力を合わせて行きましょう。

 放送業界を取り巻く環境は、かつてないほど激しく変化しています。YouTubeやネットフリックス、Amazonプライム、TikTokをはじめとしたネット系のコンテンツなども、そのビジネスモデルを変化させながらシェア争いを繰り広げています。
 放送業界も大きな変革を迫られています。女性管理職・役員登用などジェンダーバランスの改善も急務ですし、男性の育休取得の推進も法整備が進められています。こうした現実から目を背けず、今こそ労使で10年後、20年後のあるべき姿を描き、そのためにどう変革していくのかを真剣に協議し、次代の魅力ある放送・コンテンツ産業を切り拓いて行きましょう。

 民放労連は、組織財政検討委員会を立ち上げ、将来の民放労連のあるべき姿を見据えた改革の検討を始めると提起しました。検討委員会での議論を踏まえながら、放送業界で働くすべての組合員が今後も最大限力を発揮できるような環境整備、さらには生活水準や待遇を向上させられるよう、これからも時代の先頭に立って放送・コンテンツ産業の将来を切り拓く取り組みを展開していきます。力を合わせて頑張っていきましょう!

2023年1月29日
日本民間放送労働組合連合会第136回臨時大会

労働組合に加入して、より良い働き方と生活を実現しよう

民放労連は、全国の放送局や放送関連プロダクションなど118組合・約7000名が加盟している労働組合です。
民放労連では放送局で働くすべての人の賃金や労働条件の改善を最大のテーマとして取り組んでいます。
経験豊かな相談員が常駐して、いろいろな相談に応えられるようにしています。お気軽にご相談ください。

労働組合に加入して、より良い働き方と生活を実現しよう

民放労連は、全国の放送局や放送関連プロダクションなど118組合・約7000名が加盟している労働組合です。
民放労連では放送局で働くすべての人の賃金や労働条件の改善を最大のテーマとして取り組んでいます。
経験豊かな相談員が常駐して、いろいろな相談に応えられるようにしています。お気軽にご相談ください。

民放労連セミナー2022

11/5(土)〜11/6(日) オンライン

民放労連では、オンライン形式で、みなさまの学びと交流につながるセミナーを開催します
今回もまた豪華な講師陣にお話をいただけることになりました
奮ってご参加ください

開催形式:オンライン(zoomミーティングを予定)
     通信状況によって、映像・音声の乱れや一時的な停止があるかもしれません
     あらかじめご了承願います

民放労連加盟組合の組合員の方(無料)

1日目のお申し込み

2日目のお申し込み

★事前登録制です
お申し込みいただき、事務局で確認後、後日、セミナーについてのメールがzoomから届きます
自動承認ではありませんので、ご了承願います

組合員でない方は、peatixからお申し込みください(有料)

https://peatix.com/event/3371399


<スケジュール(仮)>

1日目
11/5(土)

13:00-14:30 第1講座
三山秀昭  広島テレビ放送 顧問
『G7広島サミットを前にメディアが知っておくこと、考えるべきこと
 ~サミットが初めて被爆地で開催される意義と意味~』

15:00-17:30 第2講座
北出真紀恵 東海学園大学
テレビ番組制作会社のリアリティ つくり手たちの声と放送の現在』 

2日目
11/6(日)

10:00-11:30 第3講座 ★メディア総研とのコラボレーション企画です
             メディア総研維持会員募集中!

せやろがいおじさん(榎森耕助)  お笑い芸人/YouTuber
『せやろがいおじさんが気づいた「無自覚」な男性の優位性』

11:45-12:30  民放労連説明・交流会  <自由参加>
参加者同士での交流・情報交換をします

13:00-14:30  第4講座
松元ちえ ジャーナリスト、オルガナイザー、次世代オルガナイザープロジェクト呼びかけ人
『ユニオンが持つ力とは』

★各講座概要★

<11月5日(土)>
【第1講座】   G7広島サミットを前にメディアが知っておくこと、考えるべきこと
~サミットが初めて被爆地で開催される意義と意味~

サミットの開催地と討議テーマがこれほど密接に関連するのは、過去48回のサミットでは初めてのこと。
「プーチンのロシア」がウクライナ侵攻で「核の恫喝」を繰り返す中、人類初の核の惨禍を浴びた被爆地・広島で、「核軍縮・核拡散防止」が主要議題になる意義とは。
読売新聞のワシントン特派員として国際報道に関わり、政治部長として政治報道の責任者にあった三山氏が、ここ10年以上は広島テレビの経営者の一員として、被爆地を定点観測している。その間、2016年5月のオバマ米大統領の広島訪問では事前に被爆者、市民からの「オバマへの手紙」を携え、ホワイトハウスを二度にわたって訪問、歴史的訪問に黒子として尽力した。その経緯は「オバマへの手紙 ヒロシマ訪問秘録」(文春新書)に詳しい。
広島サミットが迫る今、メディアの一員として何を伝えるのか。その意義について、「鳥の目」と「虫の目」から語りかける。

● 三山 秀昭(みやま ひであき)
■ 広島テレビ放送顧問
■ 略歴
1946年富山県生まれ。早稲田大学卒業、読売新聞入社。
政治部では、米レーガン政権第一、二期の間、ワシントン特派員。
2011年より広島テレビ放送社長、17年会長、現顧問。

【第2講座】   『テレビ番組制作会社のリアリティ』から考える、放送業界の現在と労働組合の未来

テレビ業界に欠かせない存在でありながら、学術研究からもなかなか焦点を当てられず、放送制度からも枠外に置かれてきた番組制作会社。実は制作会社設立の背景には、テレビ草創期の激しい労使対立があった。
8月に上梓された書籍『テレビ番組制作会社のリアリティ 作り手たちの声と放送の現在』は、番組制作会社の歴史と実態を関係者へのインタビューからリアルに浮き彫りにしている。
編著者のひとりである北出真紀恵教授をゲストに招き、【講演+参加者とのセッション(意見交換)】のインタラクティブな形式で、テレビ業界の課題と労働組合の未来についてともに考える。

● 北出 真紀恵(きたで まきえ)
■ 東海学園大学教授
■ 略歴
1962年 大阪生まれ。フリーアナウンサー・社会人大学院生を経て、メディア・ジェンダー研究。
東海学園大学人文学部教授。

<11月6日(日)>
【第3講座】   せやろがいおじさんが気づいた「無自覚」な男性の優位性
 ※メディア総研との共同企画

放送界で女性の参画がなかなか進まないのは長年の懸案事項です。これまで女性たちが声をあげることで、法整備や社内の制度が変わった面もありますが、依然として経営や決定権のあるポジションにいるのはほぼ高齢男性です。かつては「おっさん世代が退職したら職場の価値観がアップデートされる」と言われましたが、「おっさん体質」は、次の世代に受け継がれ再生産されています。なぜ状況が変わらないのか、視点を変えればマジョリティを占める男性側の問題とも言えます。
講師を務めるのは人気お笑い芸人で、ジェンダー問題についても発信しているせやろがいおじさん(1987年生)です。自分の中に無自覚にあったという女性蔑視と男性優位性について気づいて以降、どのようなプロセスを経て今日の活発な発信になっているのでしょう。参加者との意見交換も行います。

● せやろがいおじさん(榎森耕助)
■ お笑い芸人、YouTuber
■ 略歴
2017年から『せやろがいおじさん』としてYouTubeやTwitterへの動画投稿を始め、赤Tシャツ・赤ふんどし姿で社会問題に対しての問題提起などを叫ぶ。
2021年3月現在、Twitterフォロワーは約30万人、YouTubeチャンネル登録者数は約32万人。
2019年9月~2020年9月までTBS「グッとラック!」で毎週レギュラーコーナーを持ち、VTR出演した。
全国ライブツアーや講演なども精力的に行い、MC業もこなす。
2020年10月、せやろがいおじさん初となる書籍『せやろがい!ではおさまらない -僕が今、伝えたいこと聞いてくれへんか?-』を発売。

【第4講座】   ユニオンが持つ力とは

「たまたまローテだったから仕方なく1年だけ担当することにした」「とにかく穏便に任期を終わらせたい」「だれも(活動に)参加してくれない」「私ばかりがやっている」——。
労働組合で活動する際に、こんな考えが一度でも頭に浮かんだことはありませんか。
前年踏襲が慣行で、「動員」という言葉がなぜか定番になってしまった労働組合。
新しい意見を取り入れて、これまでやったことがないイベントや勉強会を企画したいと思っても、先輩たちになかなか聞き入れてもらえないことも。
一方で、組合執行部になったものの、「オレの背中を見て学べ」的な職人気質な文化では、いったいどんなふうに運営すればよいかもわからない・・・。
日本には、どの国もうらやましがるような労働組合法があるけれど、私たちは組合の力(パワー)を最大限発揮しきれているのでしょうか。
「やるべきこと」から、「活動したい!」と思えるような組合になるには何が必要なのか、ワークショップを通して一緒に考えてみませんか。

● 松元 ちえ(まつもと ちえ)
■ ジャーナリスト、オルガナイザー、次世代オルガナイザープロジェクト呼びかけ人
■ 略歴
ジャーナリスト、法政大学法学部メディア分析非常勤講師、新聞通信合同ユニオン委員長。
英字紙記者、海外通信社の東京特派員として勤務したのち独立。
メディア協同組合『アンフィルター(Unfiltered.coop)』の結成メンバー。
次世代オルガナイジング・プロジェクトの呼びかけ人。
共著に『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』(小学館 2022年)、
『マスコミ・セクハラ白書』(文藝春秋 2020年)、
共同翻訳『世界を動かす変革の力〜ブラック・ライブズ・マター共同代表からのメッセージ』など。

お問合せ:info@minpororen.jp
03 3355 0461

お知らせ(2022年8月4日)

報道機関各位

2022年8月4日

日本民間放送労働組合連合会

 日頃より、日本民間放送労働組合連合会(以下、民放労連)の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。

 7月30日・31日に民放労連の第135回定期大会が開催され、結成以来初となる女性委員長として岸田花子(フジテレビ労組)が就任したのでお知らせします。

 岸田委員長は、1995年フジテレビ入社、フジテレビ労組書記長。民放労連女性協議会議長。女性協では民放連と民間放送局での女性登用促進を求めており、今年3月にも民放連に申し入れました。

 今年度の執行部は、効果的な発信の強化、若手登用の促進に力を入れて、放送業界で働く人が健康で働きやすくすることを目指しています。

 岸田委員長は大会で「女性や若手も活躍できるフラットな労連を目指し、放送業界全体の発展と日本の課題解決に寄与したい」と挨拶しました。