民放労連委員長談話・「共謀罪」法案の閣議決定に抗議する
民放労連委員長談話・「共謀罪」法案の閣議決定に抗議する
2017 年3 月21 日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚 オホロ
「テロ等準備罪」と名称を変えた「共謀罪」関連法案が本日閣議決定され、
国会に上程されることとなった。多くの反対・懸念の声を顧みることなく、強
引に法案提出に至ったことは極めて遺憾であり、強い怒りをもって抗議する。
具体的な犯罪の実行行為がなくても、その相談をした疑いがあれば強制捜査
の対象にできるという共謀罪は、人々の内心そのものを処罰する法律であり、
その「共謀」を立証するためには、捜査当局による盗聴や私信メールのチェッ
クなど、著しいプライバシー侵害が拡がる恐れが強い。思想・信条の自由、言
論・表現の自由、集会・結社の自由などを踏みにじり、「監視社会」「密告社会」
をもたらす危険極まりない法案だ。
自らテロリストと認める組織など存在せず、結局は政府や捜査当局の恣意的
な判断で、平和的に活動している市民団体や労働組合などにまで際限なく拡大
して対して「テロ集団」のレッテルを貼って摘発することが可能となる。日常
的な取材・報道活動や、労働組合としての正当な活動まで犯罪行為とされかね
ないこの法案を、私たち放送の現場で働く者としては絶対に認めることはでき
ない。
憲法違反の疑いが強い「共謀罪」関連法案を廃案に追い込むまで、私たちは
幅広い仲間と共同して、たたかい抜くことを宣言する。
以 上